会長インタビュー
豊田会長の各界でご活躍の同窓生への
インタビュー
<企画の趣旨>
大阪大学工学部は,前身の期間を含めて100年以上もの長き歴史を持ち、その間に卒業された同窓生はおよそ8万人にも達し,学界や産業界の発展に寄与され,我が国の工業界の発展に寄与されてきました。
大阪大学大学院工学研究科・工学部の同窓会である「大阪大学工業会」は同窓生の交流の場であると共に,母校の発展に寄与する事業を実施してきました。工業会にとって,同窓生が各会で活躍されることは,同窓会会員としても誇りであると共に,その活躍の見える化で,母校の価値を高めることにも寄与できると自負しております。
大阪大学工業会では,同窓生への各種情報発信として,特に同窓会誌「テクノネット」を発行し,母校の情報や同窓生の活躍の状況など紹介して参りました。ただ,必ずしも同窓生間の交流の場としての機能を果たしてないことも懸念されるところでした。また,最近の情報社会にあって,在校生や若手同窓生への情報発信にも十分でないところが見受けられました。
そこで,大阪大学工業会のホームページを充実させて,情報発信機能を更に高めると共に,同窓生間の交流の場としても活用されるように改編を進めております。また,不確実な時代といわれる中にあって,母校の大阪大学大学院工学研究科・工学部の教育研究活動は揺るぎなく活発に進められ,特に優秀な人材の養成への貢献は,同窓生が活躍する産業界にも大きな期待を生むものといえます。そこで,同窓生で各界にてご活躍の方々に,会長自らがインタビューを行い,同窓生の大学への想い,各界で活躍の原点や努力の源などをお聞きし,同窓生各位の今後の活躍や目標へのある種の触発を誘起するお話を連載することを企画いたしました。
下記の項目をクリックして記事をご覧ください。
【30回】九州工業大学 学長
(主な目次)
はじめに
・「士君子」を育てる九州工業大学の教育
・GCE教育の推進でグローバルに活躍する技術者の養成を
・産学連携を教育に活かす:「社会連携講座」で必要人材の養成
・小型衛星の打ち上げと宇宙模擬空間を持つことが人を呼び込む
・大学の運営について企業からの外部役員の存在を活かす
・大学の将来像を見たときの運営のあり方は:リカレント教育のための会社を創設
・多様な学生と多様で有用な人材養成へ繋げるために
・電気工学科に入学し,大学での教育に驚きも:いま,グローバル教養教育をめざす
・「理論体系は,最後は美しい」と聞いて電力の分野へ
・海外体験が活きる
・九州工業大学に赴任して:環境マネージメントに取り組む
・大切にしていること「多様性」
・若いときの海外経験が重要:大学としてどのように背中を押すか
・おわりに:「多様性が生むイノベーション」
【29回】弁理士 KSIパートナーズ法律特許事務所 顧問
(主な目次)
・はじめに
・高野山の麓の田舎育ちが都会の大学へ
・工学を背景に持つことが弁理士業務に活きる
・特許の価値を決める文章力:特許の強さをどのように生む
・ものづくり企業への就職の海外経験の意義
・独立して働くことを目指し,努力を重ねて弁理士に
・弁理士資格獲得の意義と弁理士活動活性化への支援
・高度成長期の我が国の特許申請の傾向から今の産業状況が見える:新しい技術と新しい経営
・標準化と特許のあり方:いかに効率よく権利を確保するか
・弁理士に求められる第一の能力は「文章力」:人を育てる難しさも
・専門課程で研究室に入って先生の温かい指導と有意義な人の繋がりが財産に
・進路の選択をどうする,大学の人材養成への期待
・おわりに: 「情けは人のためならず」
【28回】株式会社東畑建築事務所 代表取締役社長
(主な目次)
・はじめに
・理系の中では人間的なものを感じさせる「建築」を目指す
・既に決められていた就職先での頑張りが次なる道を:今を素直な気持ちで見ること
・建築設計で新しいコンセプトを提案する:発注者の気づかない空間の面白さを提案できる喜び
・空間を活かす:大阪大学の2つの建物などにみるデザイン
・設計者のモチベーションを高めることが経営のポイント
・建築技師たる東畑健三の思いが東畑建築事務所の理念
・新しい技術を活かす設計を:生成AIや3Dプリンターは設計を変えるか
・入学時のキャンパスと講義の印象:教養教育の大事さとリカレント教育機会を
・建築の専門課程に進んで:「建築を愛しなさい」との言葉に感動して
・阪大生の印象:自信を持って大きなうねりを生む行動を
・大阪大学の評価が高まることへの期待:阪大卒が評価され,価値あるコミュニティに
・おわりに: 「悠々として急げ」
【27回】サントリーホールディングス株式会社 取締役専務執行役員
サントリー株式会社 取締役副社長
岡 賀根雄 (おか かねお) 様
(主な目次)
・はじめに
・夢かなえる熱い想いで創業され,自然の恵みに感謝しつつ発展した「サントリー」
・「世界一のおいしいビールを」との想い:プレミアム・モルツを生み出す
・ビール事業への「やってみなはれ」の意義:手を上げる意欲が問われる
・ドイツ留学で現場訪問やブラウマイスターとの議論が知識の広がりをもたらす
・ビール工場の開発・管理・運営のあり方をまとめて博士論文に:ものづくり企業での働きがいは
・特異なデータは,逆にチャンス:多様なことを「素直に見る」ことから
・学生時代に学んだことが後で役立つことと,学びと共に人の繋がりが生まれること
・卒業研究で学んだこと,また学ぶべきこと
・産学連携の意義と期待
・自然からの恵みで商売:使う水の倍の水を生む森の涵養などの環境対策も
・若者への期待:「知ること」と「リアルな体験」
・意識すべきは「ATM」と「3F」
・おわりに: ATMと3F,そして「感謝」
【26回】大阪公立大学・大阪市立大学・大阪府立大学 学長
(主な目次)
・はじめに
・大阪公立大学が生まれる:背景の大きく異なる二大学の統合への道
・大阪公立大学の将来ビジョンに向けた行動の原点は
・キャンパス計画で目指すもの:目指す大学の姿としてのイノベーションアカデミー構想
・教育の特徴をどこにもとめる:多様性への理解力を持つ学生を養成
・理系を目指し,応用化学へ入って無機化学の研究を
・縁あって覚悟して大阪府立大学の助手に:ガラスの研究から電池研究のきっかけをつかむ
・全固体電池の開発研究への決断をもたらしたものと実用化への道
・実用化を目指す開発研究プロジェクトのあり方は:目標を共有した研究者仲間が集う
・大学における研究のあり方:基礎と応用の区別の意味を問う
・目標を掲げることから生まれるもの:大学で学生と研究を行うことの楽しさ
・学生に求めることと成長への期待
・おわりに: 「誠実」と「一期一会」
【25回】吉泉産業株式会社 代表取締役会長
(主な目次)
・はじめに
・ものづくりを目指して,「ご縁」を大切に思い冶金工学科で頑張ろうと
・何が起こるか分からない中で,必要なのは自らの成長への想いと元気さ
・企業規模を大きくすることへの想い
・「ものづくり大好き」が革新的デザインの原点:発想力を活かした独自のデザインで勝負を
・一から全て自社生産することでリスク回避ができ,また新しい展開のためにはAI技術も自社で
・中小企業にとっての産学連携は
・ものづくり一筋,秀でたものづくりが評価されたことのありがたさ
・「日本でいちばん大切にしたい会社」と評価されて:家族経営で働く環境の整備を
・集中力が大切:何かで一番になろう
・大阪大学はクラブ活動の環境を高める努力などで,全てでトップに
・おわりに: 「素直になれ」
【24回】兵庫県立大学 特任教授 元・山陽特殊製鋼株式会社取締役専務執行役員
(主な目次)
・はじめに
・ものづくり町工場の環境で育ち,形に残るものとの想いから冶金工学科へ
・金偏の会社へとの話で,特徴ある技術力の山陽特殊製鋼株式会社に入り厳しい三交替を経験
・新しい研究課題への取組の成果とそれを支える勉強の意義
・東北大学への研究生としての派遣で得たもの:増本先生のおかげでアモルファスから粉末へ
・粉末技術を活かした磁気記憶装置の開発に大きく貢献:現象の基本を知って対応する大切さ
・「諦めない」がポイント,そして職人さんに学び,五感を活かすこと
・垂直磁気記録用材料の開発が粉末事業を生き返らせた:諦めない気持ちと多面的ものの見方が重要
・金属3Dプリンターの活用で,企業連携などで新しいものづくりを生み出す支援を
・なぜ日本の3Dプリンター活用は遅れているのか:まず,走り出さなければ勝てません
・大学で学ぶべきこと:サイエンスを学ぶことの面白さを
・開発研究では目指す目標の質が問われる:更に若い人の才能・開発力を伸ばすのは上司の役割
・大学では勉強の仕方を是非教授頂きたい
・借金してでも海外へ:異なった文化や違うシステムに触れることから生まれるもの
・おわりに:「今が大切」
【23回】日本鋳造株式会社 代表取締役社長 鷲尾 勝 (わしお まさる)様
(主な目次)
・はじめに
・製鉄が我が国の基盤を担うとの想いから冶金工学科へ,そして技術的な魅力から川崎製鉄へ
・底吹き転炉(G-BOT)部門で安定的に生産性を上げる対策:コスト意識が新しい技術改革へ
・JFEスチール株式会社への統合を活かす人事交流と人の繋がりを活かした事業展開
・設計力を活かして社会基盤を支える製品を提供できる強みを持つこと
・デザイン思考が活きる新しい技術を活かした鋳鋼品を
・新しい特性をもつ材料とその成形へ:低熱膨張合金と3Dプリンターの活用
・GX対応で「グリーンキャスティング」製品の販売を
・工学部・工学研究科での学びの意義
・大学で学ぶことの意義:マップを造るためにも広く体系的に学ぶこと原理・原則に帰ること
・おわりに:「組織は,トップの器以上にはならない」
【22回】関西電力株式会社 執行役常務 高西 一光 (たかにし かずみつ) 様
(主な目次)
・はじめに
・社会を支える使命感を想いに関西電力株式会社へ
・火力発電を取り巻く環境の大きな変化に揺られて生まれる新しい技術
・電力の安定供給への技術的な課題へのアプローチ
・好奇心を持ち,「なぜ」だろうと考えることから生まれる決断がワクワク感を生む
・エネルギー産業の将来像は:増える消費を安定的に供給することとゼロカーボン化への対応
・将来を担うために求められる人物像は:広いアンテナを持ち,先が読める力を
・大学のレベルの高い講義に感動:精密工学科で制御の研究を
・大学生活を活かすために望まれること
・組織運営には組織の“Purpose and Values”の共有が不可欠
・経営への水素と生成AIの対応は
・大学と企業の十分なコミュニケーションで有用な工学教育研究へ
・おわりに: “Stay Hungry, Stay Foolish”
【21回】元・新日本製鐵株式会社(現日本製鉄)取締役 西岡 潔(にしおか きよし)様
(主な目次)
・はじめに
・思いとは違った世界最大の会社への入社で,後々に活きる大きな経験を
・好きなことをやるよりも、やっていることを好きになること
・「鉄の王様」の厚板部門でなしえたこと:生産現場への新機軸(CLCなど)の開発
・ケンブリッジ大学への留学:Knott先生の下で研究し高い評価を受ける
・研究所から圧延現場へ異動:成功をもたらすは「熱い想い」
・企業での経営で大切にしてきたこと
・博士学位取得へ大学に入学:経営での「時間の制御」の意義
・「時間を制御する」ために「全体最適」を
・管理職の役割は人材育成:「One on One」での話しが重要
・精密工学科でものの見方を学ぶ:全てのものは繋がっていて,「つなぎ」が重要
・いま,大学に求めること:教育が大切,対話の重視を
・おわりに:「なんくるないさ」そして「壁を越える」こと
【20回】株式会社エヌエフホールディングス 代表取締役会長 高橋 常夫(たかはし つねお) 様
(主な目次)
・はじめに
・米国の半導体会社へいきなりの研修での驚き:研究開発の道を目指すことに
・ホンダの研究課題の「提案制」:失敗表彰もある研究開発の意義付け
・ホンダで生まれた世界初の「カーナビゲーション」,そして「自動運転」へ
・成功をもたらす「ど根性」の不屈さ
・研究所の中に基礎研究所を:先を見た研究の重要性
・研究成果の事業化に興味を:ネガティブ・フィードバックを活かす株式会社エヌエフへ
・身につけた方法論に基づいてやり続ける「ど根性」が一番
・時代の変化への対応する人材養成を:技術力が不可欠
・エレクトロニクスの重要性が増す思いで電子工学科へ:カーエレクトロニクスに携わる幸運
・「教える」だけでない「うんちく」のある講義が印象に残る
・「思う」と「想う」:「理想」を持ち続ける姿を
・おわりに:「Good Problem」
【19回】大阪ガス株式会社 執行役員 京都リサーチパーク株式会社 代表取締役社長 門脇 あつ子 (かどわきあつこ) 様
(主な目次)
・はじめに
・純民間インキュベータとして京都リサーチパークの創設
・民間であることが活きる:将来の研究開発や新産業を見据えて利益の再投資ができる体制を
・将来の産業の展開を見据えた前向きなマネージメント力が活きる
・会社の成長と社員の成長が一致する会社に:イノベイティブ・マインドを持った社員が支える
・KRPブランドの確立が国内外への広がりを
・上田篤先生に憧れて大阪大学・環境工学科で複合的なものの見方を学ぶ
・当初の想いと異なる配属でも,そこに面白さを見つけて:そして30年の貴重な経験
・想いと違うときの対応が問われる:自らの視野は限定的なので多様な多くの専門家を活かすこと
・大学の本来の役割から見た評価のあり方:大学間連携が多様な成果を生み,人を育てる
・変化の時代で「自分を俯瞰する」ことと「共感」を得ること
・おわりに:「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」
【2023年度の取りまとめ】
2023年度に掲載いたしましたインタビュー記事(第1回~第18回)から
インタビューでお伺いしたご意見を下記項目でピックアップし、まとめました。
*会長インタビューでお伺いしたご意見の要点(1)<大切にしている「言葉」や「考え」>
*会長インタビューでお伺いしたご意見の要点(2)<学生・若手への想い>
*会長インタビューでお伺いしたご意見の要点(3)<大学の教育研究への期待>
*会長インタビューでお伺いしたご意見の要点(4)<企業経営において大事にすべきこと>
*会長インタビューでお伺いしたご意見の要点(統合版)
【18回】元・株式会社SUBARU 取締役専務執行役員 馬渕 晃(まぶち あきら)様
(主な目次)
・はじめに
・中島飛行機の伝統のDNAをもつ「技術第一」の会社が産んだ‘スバル360’
・職場の変化でも前任を引きずらないこと
・ありたい姿を描き実行すること:赤字からの脱却をもたらした経営の姿
・学ぶ領域の広さに魅力を感じて溶接工学科へ
・卒業研究とクラブ活動の意義:自ら考え解決する力や計画性が後々役に立つ
・入社時の配属について:短期間の学びに拘ることなく,幅広く専門性を広げてその道のプロに
・自動車材料の諸問題の解決に向けて,自由な組織環境での17年間
・自動車の設計で調整役を:人の話を聞いてまとめ上げる力
・経営に不可欠なのはガバナンス力:末端のいうことを拾い上げて「よい会社」に
・「よい会社」とは:社会の評価を得て,働きがいのある環境のもと収益があげ続けられる会社
・多様な人材,多様な環境が生む活性化
・おわりに:「ありたい姿へ」
【17回】株式会社 ユーデーコンサルタンツ 代表取締役会長 西田 修(にしだ おさむ)様
(主な目次)
・はじめに
・「ディベロッパー・アーキテクチャ」こそが設計の大意・魅力
・『まち』『建築』『事業』をデザインする事業形態
・再開発コーディネーターの役割と事業形態
・再開発をもたらすもの:モータリゼーション及び防災から「少子高齢化対策」へ
・都市開発をコーディネートする人材:「人の話を聞くチカラ」が重要
・自立的な仕事をやりたくて建築工学科のデザイン研究室へ
・学生時代のクラブ活動への想い
・生成AIは設計をどう変えるか
・都市開発の今後の展開での課題は
・自分がやいたいこと・仕事をみつけ,働く意思と意欲をもつ
・大学の建築系の教育を問う:進む道を自ら見つける指導を
・おわりに:「人生は死ぬまでの暇つぶし」
【16回】サンワ・リノテック株式会社 取締役会長 佐川 博敏(さがわ ひろとし)様
(主な目次)
・はじめに
・環境対策機器で安心・安全を生む差別化を
・めざす経営理念とミッション・ステートメント:信念・感謝・共に前進・心のときめき
・塗装に活きた刷毛事業から文化財の保存・修復を事業も
・大阪大学の化学系を目指す:大学紛争を経験して
・修士課程での海外経験から憧れの外資系会社に入社して
・大学には誇れる成果を,学生さんには海外経験と語学力を
・おわりに:「七十にして矩をこえず」「友遠方より来たるありまた楽しからずや」
【15回】サラヤ株式会社 代表取締役社長 更家 悠介(さらや ゆうすけ)様
(主な目次)
・はじめに
・大阪・関西万博でブルーオーシャン運動の展開を
・世界の「衛生・環境・健康」に貢献する「サラヤ」へ:殺菌・消毒のできる石鹸から
・地球市民宣言:ビジネスのあり方にも地球市民感覚を
・大学紛争と大阪万博の時期に醗酵工学科に入学,その後UCBへの留学
・米国大学の入学制度と融通のある単位システム
・大学でのクラブ活動の意義:人の繋がり
・イノベーションが企業経営の最重要課題:自主独立的に活動する人材が活躍
・イノベーションを支える人材の養成と人材評価のあり方
・組織力が企業経営を支える:研究開発の重点をどこにおくか
・国際的に評価される研究を:役割を明確にした産学連携も活かして
・学生さんへ:若いうちに海外に飛び出そう
・未来社会のために何をすべきか:健康寿命の向上へ
・おわりに:「地球市民宣言」
【14回】東京エレクトロン株式会社 元・代表取締役会長 常石 哲男 (つねいし てつお)様
(主な目次)
・はじめに
・ピカピカの会社に成長をもたらしたのは企業文化:カジュアルでフランクな企業風土
・企業文化の成長は土壌が大事:木が育つには土壌が重要で,世界で負けない技術力がものをいう
・社員を大切にする「企業風土」で気概のある人財が育つ:社員の貢献が実感できる体制を
・企業の成長は利益から:高い付加価値と競争力の実現が社員とお客様をハッピーに
・合目的の装置開発を支える体制のあり方:フェアな評価が不可欠
・リーダーの役割は:やる気を生む環境作りを行い,部門の総力の最大化を
・小学校時代からの興味から「通信」へ
・教養教育で必要なこと:是非とも英語はネイティブ並になること
・紆余曲折があって東京エレクトロンへ入社:不運の後に幸運が舞い込み最高の結果に
・急成長期の仕事に大きなやりがいが:成長する東京エレクトロン(株)での働き方の流れ
・成長をもたらしたもの:「トラスト」と「リスペクト」更に「フェアネス」
・「世界一」を目指す意欲と英語力の強化を
・大学に望むこと:我が国の大学教育のあり方を問う
・おわりに:「我行精進 忍終不悔」
【13回】株式会社エンバイオ・ホールディングス 取締役会長 西村 実(にしむら みのる)様
(主な目次)
・はじめに
・汚染土壌の浄化のビジネス展開:ブラウンフィールド活用ビジネスへ
・バイオテクノロジーを活用した事業からのビジネスモデルの展開
・バイオ研究を行うための転職で環境問題との出会い:バイオ浄化事業との巡り会い
・先を見た独自技術が勝ち抜くための条件:他との違いを積み重ねること
・ベンチャーが成功するために:他と違う技術を持つことと先行経験を最大限に活かす
・他にないことに惹かれ醗酵工学科へ
・応援団で団旗を掲げての活躍と留学生との卒業研究の思い出
・自らの目で観て打ち込むことが大切:阪大卒のプライドを,自分で考える,鵜呑みにしないこと
・企業経営で大切なこと:よき仲間のチームワーク
・今後の社会を考えたビジネスのポントは
・産学連携のあり方は:大学の圧倒的サイエンス知見に期待して
・おわりに:「成功は約束されてないけれども,成長は約束されている」
【12回】株式会社大同工業所 代表取締役社長 大桐 伸介(おおぎり しんすけ)様
(主な目次)
・はじめに
・「オンリーワン製品を製造する会社」へ:品質が命
・SDGsへの取組と社内の理解増進
・海外展開をめざす:海外展開の難しさと自社のスペックが活きる方策を
・大阪大学で高校とは違う教育を受けたことと人のつながりを生む大学生活
・研究室の選択は「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」:液晶の流れの研究を
・大学での研究経験が企業での未知の分野へのアプローチに役立つ
・大同工業所に帰って:従業員を支え,海外展開への道を
・学生さんがリーダーとなることへの期待:「色々な人と話し、伝える」能力を
・おわりに:「仕事は信頼の積み重ね」
【11回】花王株式会社 取締役会長 澤田 道隆(さわだ みちたか)様
(主な目次)
・はじめに
・花王の製品展開の広がりを生む3Aを中心としたケミカル技術
・花王が目指す「豊かな共生世界の実現」:本質研究を重視した良きものづくりの成果
・目標を達成する取り組み方の企業と大学の違いが:感銘を一つでも与える教育を
・物理よりは化学を:パイロットの夢が破れ大阪大学工学部へ
・物事は本質を見よ:きっかけが生まれるためには胸に突き刺さる言葉が大切
・本質研究への道:入社して企業研究者のあり方を学ぶ
・経営は:本質を見極め本質に帰る
・人を育てる本質は育つ環境を整えること:リーダーの役割は
・企業経営者がなすべきこと:価値あるコミュニケーションをとり,胸に突き刺さる一言を
・大学への期待:人づくりはコミュニケーションを通じて胸に突き刺さる経験を
・「評価の仕組み」を変えよう:評価の仕方の変革が大学には求められている
・おわりに:「一心不乱」と「素心深考」
【第10回】元・アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役副社長
(主な目次)
・はじめに
・醗酵工学の魅力ある内容と唯一の存在に惹かれて
・大阪大学への入学:大学紛争の影響をもろに受けての留年と再起へ
・アサヒビールに入社して、ビール一筋に:ビールの味へのチャレンジが許された環境
・ビールの品質を支えるためへのものづくりへの要求:タンク内面のバフ研磨
・新しい流れのチャンスを逃さないことと技術力を高めること
・「チャンスは貯金ができない」:スーパードライ誕生の思い切った決断へ
・「予算」とは:エンジニアが経営を目指すに必要なこと
・若いエンジニアに望みたい二つ:経営を学ぶことと英語力
・大学へ求めること:理念・方針を明示して
・おわりに:「自分の座標軸をしっかりと持ち,自分の立ち位置を明確に」
【第9回】日本認証株式会社 代表取締役会長,IDEC株式会社 技術経営担当上席執行役員,大阪大学工業会 理事
(主な目次)
・はじめに
・国際標準化の重要性を理解してルール形成に活躍する人材が今後必要
・安全の確保は,健康とウェルビーイングの実現をもたらす:我が国の技術レベルの高さを活かそう
・リスクを知り,リスクを取ることで安全が生まれる
・関西万博で「安全,健康,ウェルビーイング」のグローバルイニシアチブを
・注意の時代から安全の時代へ,そしてウェルビーイングの実践への動き
・ファインバブル技術の国際標準化の実現と更なる展開へ
・レーザに惹かれ応物に,そしてエンジニア一家に
・学生時代の遊びと研究:いろいろな人のつながり
・就職で目指したことと,やり遂げたこと:「安全をブランド化」に
・学生さんに目指していただきたいこと
・ウェルビーイング・テクノロジーの研究や国際連携の日本初での先取り体制を大阪大学に
・おわりに:「縁を大切に」
【第8回】岩谷産業株式会社 代表取締役 社長 間島 寛(まじま ひろし)様
(主な目次)
・はじめに
・環境を考えて80年: 炭素の少ない燃料の「プロパン」から「水素」へ
・世界で唯一の大阪大学溶接工学科へ
・溶接工学の広い学問分野への驚き: 溶接工学科や大阪大学同期生の活躍と人のつながり
・工学部の特徴たる卒業研究で学んだことが経営に生きる。就職しても溶接と離れられず
・世の中に必要な人間となれ: 必要とされるものこそ栄える
・水素ビジネスの今後の展開: 水素が必要なものに
・開発研究の意義:人材養成への大学との有効な連携を
・水素用途の拡大: 万博で水素燃料電池船を走らす
・世界中の国々が求める自国のエネルギーの活かし方に貢献する水素: 水素ビジネスの主体に
・先端研究をリードする「研究の聖地」の創設への大学への期待
・おわりに:「吾唯知足」
【第7回】丸一鋼管株式会社 代表取締役社長兼COO 吉村 貴典(よしむら よしのり)様
(主な目次)
・はじめに
・100年企業を目指してのキャッチコピー「○1×100」と「どこにでもあるたった一つの会社」に
・価値を創出し続けるために: 社会使命とダイバーシティ
・丸一鋼管の事業内容からも機械系を目指すことに:破壊力学の研究室で学ぶ
・就職に当たって考えたことと,大学での学ぶべきことは
・仕事の流れから,大切なことは「お客様の顔」を常に意識すること
・川上・川下産業の広がりを求めて特品事業を:設計の基本は「なぜ」にかえること
・リーディングカンパニーの意義:小規模工場を活用した需要地生産システム
・未来のステークホルダーを考えた経営がもたらす持続性:「元気な100年企業」を目指す
・人材養成についての大学への期待: 多様な知識・情報とその活用は
・おわりに:「細心で大胆に」
【第6回】元・南海電気鉄道株式会社取締役社長 亘 信二 (わたり しんじ)様
(主な目次)
・はじめに
・工学部から電鉄会社へ:部活に明け暮れた学部時代から縁あって南海電鉄に
・情報系の黎明期に電気系に入って:専門教育の学びの重要性を後で分かる
・大学生活での人のつながりを活かすとともに組織運営力を
・電鉄会社での第一歩:信号・通信業務を
・情報通信技術の改革:光技術の活用と人材
・電気部というコスト部門からコスト削減への自動化の活用と他社連携の動き
・「変わる勇気」を持とう:業務の見直しにつながる変化を大切に
・観光地開発の限界と今後の期待される動き
・「気づき」とその展開が図れる人材の養成を
・おわりに:「縁を大切に」
【第5回】シスメックス株式会社代表取締役社長 浅野 薫(あさの かおる)様
(主な目次)
・はじめに
・ヘルスケア企業を経営する立場の人が電子工学科卒とは:電子工学科を目指したのは
・教養教育の面白さと重要性は後で分かる
・電子時代の黎明期に恵まれて:初めての楽しさ
・ロボットに惹かれて就職し,若手が活躍する環境に
・若手にとって重要なこと:「基礎」の充実と「人のつながり」
・手術支援ロボットの開発への強い意欲
・手術支援ロボットの開発を高めた創る人と使う人のコミュニケーション
・データベースを活用した新しい医療分野のビジネスの構築
・大学との共創が活きる:新しい流れをつかみ人材養成に大学との連携を
・大学に望むこと:長期視野の基盤強化と学生の意欲向上を
・おわりに : 「Connecting The Dots」
【第4回】三洋化成工業取締役会長 安藤 孝夫(あんどう たかお)様
(主な目次)
・はじめに
・化学が悪者に: 化学で世の中が変えられるのではないかと大阪大学工学部応用化学科へ
・教養・学部の講義は印象的: 感じることで興味をそそる
・研究が面白く,研究の楽しさを実感: 「好きになること」で行う「努力」が報われる
・研究開発の改革を成し遂げ,更に海外事業担当から企業経営の経験へ
・開発商品の根本は「見極め」と「継続」: 市場規模よりは社会課題の解決を
・経営の基本は過去の直しと慣例主義からの脱却: ポイントはトップの意志
・経営理念をどう伝える: 「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」
・持続可能性のために必要なのはレジリエント: 我が社のコロナ対策
・工学研究科に望む人材養成は:「知的好奇心」と「努力できる才能」を持ち主体的に動く人財を
・おわりに:「一期一会」
【第3回】株式会社ダイヘン代表取締役社長 蓑毛 正一郎(みのも しょういちろう) 様
(主な目次)
・はじめに
・大学生活を楽しむ:仲間をつくること
・大学での研究活動の意義
・研究開発活動を重視する企業の魅力に惹かれて:学びの継続とやりきる力が重要
・技術開発力が命:独自性と貪欲さを重視
・事業展開に重点をしぼり,開発費を確保して,社会に貢献できる技術開発へ
・開発を担う若手の活性化へ:誠実さと実直さを
・次世代の開発課題と若い力への期待
・工学部教育に望むこと
・おわりに:「Done is better than perfect.」
【第2回】元・株式会社NTTドコモ代表取締役社長、大阪大学工業会副会長 山田 隆持(やまだ りゅうじ) 様
(主な目次)
・はじめに
・当然のごとく大阪大学工学部を目指して:教養教育の大切さは「後に分かる」
・大学生活での余暇と研究生活を楽しむ:目指すべき目標を持つことと,やりたいことをやり遂げよ
・トータルパワーを集中させる能力:「ポストが人をつくる」
・経営の基本は:「常識が一番」と「お客さまが大事」の二つと現場とのコミュニケーション
・未曾有の大災害をもたらした東日本大震災
・なすべきこと:トータルパワーの発揮のため,指揮命令系統の確率と情報の共有化
・リーダーは,一度は必ず現場を見ること。そして現場のことは現場に任せること
・復旧と並行しての新たな災害対策の策定へ:修羅場の時こそ
・現場での兵站活動と社員へのねぎらい
・おわりに:「切磋琢磨」を
【第1回】株式会社大林組代表取締役社長 蓮輪 賢治 (はすわ けんじ) 様
(主な目次)
・はじめに
・土木工学の面白さから河川工学の道へ
・人のつながりを育む大学時代:大学時代の時間をどう使う
・株式会社大林組への入社と建設業の本質への戸惑い
・大きなプロジェクトでの経験と先輩からの学び:コミュニケーション力の大切さ
・事業経営の重要なポイント:ステークスホルダーとの協調を考えた「バランス力」による個社の成長
・経営者として若い人々に望むこと:働きがいと達成感を大切に
・産業界から見た大阪大学大学院工学研究科へ望むこと
・新しい時代への今後のあり方と期待
・おわりに:平常心是道